この度、クローバー金町校が『学習塾から出発するそろばん教室』を始めさせていただくことになりました。そろばん教室が塾を始める、あるいは、そろばん教室が塾に変わる、というケースは結構あると思いますが、逆のケースですので、どちらかというと少ないかもしれません。ではなぜ今そろばんを始めることになったのか…。それは、2021年の７月でクローバー金町校が10年目を迎え、これまでの９年間の地域のお子様へのご指導で感じてきたことを実現するためにはどうすればよいかを考えた結果でありました。皆様の大切なお子様が先の進学を見据え、算数・数学で中学・高校入試に失敗しないようにするため、是非とも小学生（特に低学年・中学年）から、そろばんを通じてしっかりとした『学習の基礎』を作りませんか？是非とも、この新規コースをお気軽にご利用ください。

　これまでの９年間、私共は『現場第一主義』に徹してまいりました。休みの日にも、時間外にも、数多くの無料授業・オンライン授業・補講・特別講義…。直向きに地域の生徒さんのご指導にあたらせていただきました。そんな私共が自塾のお子様へのご指導を通じて、算数の計算に関して感じてきたことは、『基礎計算力不足』、『それ程難しいとは思えない程度の応用計算力不足』でした（もちろん、金町～柴又～新宿～水元地域すべての生徒さんを見ているわけではありませんので、地域全体にあてはまることかどうかは定かではありません）。ここを改善するにはどうすれば良いかを塾の指導時間の枠で考えてはきましたが、生徒さんのレベルによりましてはどうしても賄いきれないケースがありました。そこで、１人でも多くの生徒さんに早い段階から計算力を身に付けていただくには、業界でも根強い信頼と実績を誇り、かつ、私共も習ってきてその有効性を認識している『そろばん』が最適であるとの考えに至りました。ここでは、その２つの問題点についてご説明させていただきます。

　少数・分数の計算の前に、まず、繰上り・繰り下がり・九九ができない生徒さん、結構多い気がします。塾には、小学生、中学生、高校生と、幅広い生徒さんに入塾していただいておりますが、算数・数学の成績が悪い生徒さんの多くは、それぞれの学年の単元の理解云々の前にまずここです。基礎計算力をどうにかしなければ、正解にたどり着きません。さらに、基礎計算力がないにもかかわらず、男子生徒さんを中心に筆算をしない生徒さんがかなりいらっしゃいます。面倒なのはわかりますが、これは面倒とは言わず、手抜きです。勉強は仕事と一緒で、手抜きをすれば、失敗する可能性が高くなります。ですから、早い段階から算数を苦手科目にしないため、基礎計算力をしっかりつけることが重要です。さらに、基礎計算力がついてもそれに奢ることなく、分数などの混み入った計算はしっかり筆算をする、そのような１ランクも２ランクも上の『算数・数学マスター』になっていただけたらと願っております。

　基礎計算力がない生徒さんほど、長い計算式、複雑な計算式をすぐに手前から計算をしたがります。たくさん計算し、何度も消しゴムで消して、労力をかけて…、最終的に間違えてガッカリ。だからでしょうか、次の問題は筆算を省略、あるいは適当に計算してまた間違えてイライラ。このような光景もこれまで教室でよく目の当たりにしてきました。

　基礎計算力がないと不安なのでしょうか、がむしゃらに計算する印象があります（もちろん、上記の筆算をしない生徒さんよりは計算をがむしゃらにしてくれる生徒さんのほうがかなりありがたかったですが）。ただ、計算問題にもよりますが、手前から１つずつまとめていくよりも全体像を眺めて処理をする方が効率的な計算というものも存在し、入試やテストではそのような応用的な計算力が求められます。しかも、ガツガツ計算するよりもとても楽なのです。このような応用(計算)力を身に付けるには、上記の基礎計算力がベースとしてあって初めて成せる業かもしれません。基礎計算力を身に付けることにより、気持ちに余裕を持つことができ、結果的にさらに先の応用計算力もものにする。算数・数学を得意科目・得点源にするという明確な目的をもって、『そろばん』での学習を進めていただきたいと考えます。